税理士の経営・財産・相続トピックスVol.058「かぼちゃの馬車」
世間で話題になりました「シェアハウス投資」。「かぼちゃの馬車」の魔法が解けて、現実の借金が残った事件です。
女性向けのシェアハウスを建築し、一括で借り上げ、運営を代行していたサブリース事業を展開していた会社が、経営破綻に追い込まれました。
30代、40代のサラリーマンが、1億の借金を金利3%で借りて不動産投資をする。
一括借り上げで家賃保証されると信じて投資した人は、700人を超えると報道されています。
何が問題だったのでしょうか。
冷静に考えると、例えば年収800万の会社員が1億の借金をする→無謀な話です。
家賃保証します→賃借人がいなければ赤字ですから、当然家賃保証は成り立たない 等々。
日本には空き家が1000万戸あると言われています。
不動産賃貸業のビジネスモデルや入居状況の検証を十分に行わないまま、シェアハウスに投資するのは危険ではないでしょうか。
30代、40代のバリバリに働いている会社員が、銀行が大丈夫と言って貸してくれたから安心できると思ったでは、情けない話です。
以前にも似たような時期がありました、30年前のバブル時代です。
今回の事件はお年寄りが騙された話ではなく、バブル時代を経験していないサラリーマンが被害にあっています。
これからも、似たようなトラブルは山ほど出てくるでしょう。不動産投資、証券投資、仮想通貨、なんだかわからないものの投資。自分の責任で目利きしなければなりません。
誰の責任にしても、使ったお金は戻りません。
他人の話に乗ってお金をかけて、他人まかせで儲けようとするか、それとも自分や自分の事業に投資して自己を成長させるか、働き盛りのサラリーマンの根性に期待したい。
2018年7月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
-
事業形態
事業・国際税務
医療・介護
相続・オーナー
- 種別 トピックス